蓄電池の基礎知識

蓄電池でさらに活かす太陽光発電
~蓄電池の基礎知識~

山口県の株式会社マエテックでは、拠点を置く山口市をはじめ宇部市・防府市・下関市・周南市・下松市などの山口県内全域と福岡県東部、広島県西部を対象エリアに、太陽光発電システムの導入・設置のお手伝いをしています。太陽光発電のことなら何でもお気軽にご相談ください。ここでは、太陽光発電で生まれた電力を有効に活用するためには欠かせない「蓄電池」やその他、充放電システム「V2H」に「EV-電気自動車」についてご説明します。売電から自家消費まで、自由度の高い太陽光発電ライフを送るには、蓄電池の導入をおすすめします。電気代の節約や売電だけでなく、災害時の電源として活用することなどもふまえて、検討してみましょう。

蓄電池とは?

蓄電池とは?

蓄電池とは、電気を貯めておき必要に応じて使用することができる装置です。
太陽光発電と組み合わせることで、夜間や雨の日など発電できないときに、蓄電池に貯めておいた電気を使うことができます。また、停電時や社会的に電力不足の問題が起こったときにも、貯めておいた電力を使用することができます。もちろん、一般的なコンセントから充電することもできるため、非常用電源として備えることも可能です。
また充電池単体で購入すると比較的高くつくためEV車を購入し上手に電気を配分しながら使用するケースも多くあります。

蓄電池の充放電の仕組み

蓄電池の充放電の仕組み

蓄電池の仕組みは、乾電池と同じです。蓄電池の中には、プラス極とマイナス極となる金属が電解液と一緒に内蔵されており、セパレーターによって隔てられています。放電時には、マイナス極の金属が電解液に溶けて電子を発生させ、その電子がプラス極に流れ込むことで放電が可能となります。充電は、これと逆の反応を起こします。プラス極の金属を溶かして電子を発生させ、それがマイナス極へと流れて固体化し、金属に戻ることで放電前の状態にするのです。
この仕組みをさまざまな金属と電解液で起こしたものに、鉛蓄電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池などがあり、それぞれの特性やスペックによって用途が異なります。

蓄電池導入のメリット・デメリット
  • メリット
    • 太陽光発電による電力を自家消費できる
    • もしもの時に非常用電源として使える
    • 電気代が安い時間帯に貯めて高い時間帯に使用するなど節約につながる
    • EV車という形で導入する事ができる
  • デメリット
    • 1kWhあたり数十万円と価格が高い
    • 売電した方が、メリットが大きい場合がある

蓄電池導入設置費用と回収年数

蓄電池導入設置費用と回収年数

太陽光発電と蓄電池をセットで導入することで、多くのメリットが得られることはおわかりいただけたでしょうか。蓄電池の導入を検討する際に、気になるのはやはり費用面の問題です。太陽光発電だけの場合、昼間につくった電力を使い、余剰電力を売電し収入を得るのみですが、蓄電池で朝と夕方も貯めた電力でまかなえるため、朝から夕方まで電気代が無料になります。
夜間は格安の料金プランが適用されますし、夜間も蓄電池から使うことも可能です。シミュレーションを行い、蓄電池を利用した場合に何年で費用が回収できるかを比較検討してみてはいかがでしょうか。導入する蓄電池の性能や価格にもよりますが、10年程度で元が取れることがわかれば、導入する価値は十分あると言えるでしょう。

余剰売電について

余剰売電について

太陽光発電で生じた電力を電力会社へ売る際に、発電規模によって売電できる量が異なります。設置する太陽光発電システムの発電能力によって、余剰売電と全量売電に分けられますので、発電の目的に応じてその違いを知っておく必要があります。

  • 余剰売電

    太陽光発電で発電した電気は、自家消費することを基本とし、そのうえで残った電力を売ることができます。(2022年度)

    【対象】
    10kW未満の住宅用太陽光発電
    10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電(地域活用案件、30%以上の自家消費と自立運転機能が必要)

  • 全量売電

    太陽光発電で発電したすべての電気を売電することができます。投資を目的する場合は、全量売電のために産業用太陽光発電が選ばれる傾向にあります。(2022年度)

      【対象】
      10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電(ソーラーシェアリング、パネル下での営農が必要)
      50kW以上250kW未満の産業用太陽光発電(FIT)
      250kW以上1000kW未満の産業用太陽光発電(FIT入札)
      50kW以上の産業用太陽光発電(FIP)

売電価格

売電価格

太陽光発電パネルの発電量によって利用できる買取制度が異なり、それによって得られる利益にも差が生じてきます。10kW未満(住宅家庭用)の太陽光発電は「余剰売電」で10年買い取るのに対し、10kW以上(産業事業用)の太陽光発電は「全量売電」で20年買い取り。売電価格も、「全量売電」の場合は、20年間固定され、長期に渡って安定した収入を得ることが可能となります。「余剰売電」は10年間固定なので、「全量売電」のほうが2倍もの期間同じ価格で売ることができ、買取価格もそれほどの差がないため、事業や投資としても有益な制度と言えます。「グリーン投資減税」が適用されれば、節税対策としても有効です。「再生可能エネルギー発電設備に係る固定資産税の課税標準の特例措置の延長」や各種EV補助金などが利用できる場合があります。

EV車とV2H

EV車とV2H

ご家庭での自家消費を前提に、太陽光発電を導入される場合には、その活用方法も一緒に検討してみましょう。そこで知っておきたいのが、近年普及が進められている電気自動車(EV車)とV2Hの存在です。

電気自動車(EV・PHV車)

電気自動車(EV車)

EV・PHV車は、自宅の太陽光発電パネルで生まれた電力を貯める(=蓄電)機能があります。電力でモーターを動かして推進力にすることはもちろん、万が一の災害・停電時には非常用電源としても使用できます。一台で二役こなすため、蓄電池とガソリン車の組み合わせよりもコスト面でも優れています。EV車は走行時に二酸化炭素の排出がないため環境に優しいことに加え、普及を進める国によって、補助金や税金免除などの優遇措置も用意されています。通常のHV車は対象外です。

V2H(Vehicle to Home)

V2H(Vehicle to Home)

V2Hは、ヴィークル・トゥ・ホームの略で、自宅(交流)とEV車(直流)で使う電気を変換し、相互の充電・給電をする装置です。V2H単体に蓄電機能はなく、蓄電池やEV車と組み合わせて使用することで、太陽光発電システムで生まれた電気を活用するのに役立ちます。

EV車とV2H導入時の注意点

EV車とV2H導入時の注意点

EV車やV2Tによる活用は、画期的ではありますが、いくつか注意点もあります。EV車が自宅にある時間帯にのみ、その電気を給電できるという点です。通勤で使用しているため、一日のほとんどの時間で車が自宅にない場合には、あまり経済効果を見込めません。そういった場合には、ハイブリッド車や定置型蓄電池と併用する方が、メリットが大きくなります。また、充電方法が異なるものを組み合わせることで、バッテリー寿命が縮むこともありますので、製品ごとに注意も必要です。

蓄電池で「自家消費」をもっと便利に

蓄電池で「自家消費」をもっと便利に

自家消費を目的とした太陽光発電をもっと便利に、有効活用するなら、蓄電池の導入をおすすめします。太陽光のない夜間は、当然ながら発電できません。しかし、昼間に発電した電力を蓄電池に貯めておき、夜使用することはできます。

蓄電池導入のメリット・デメリット
  • メリット
    • 発電していないときでも電気が使える
    • 購入する電気代を抑えられる
    • 災害や長時間の停電時に非常用電源として使用できる
    • クリーンエネルギーの使用で、持続可能な社会へ貢献できる
    • 余剰売電・自家消費は、中小企業の節税対策になる
  • デメリット
    • 設備数が増え、設置スペースの確保が必要となる
    • 蓄電能力が大きいほど高額で、投資回収年数が長期化する
    • 半年から1年に1回以上の定期点検が必要でメンテナンス費用も発生する。点検頻度は太陽光発電と異なる
    • 悪天候(雨・曇・積雪等)が続くと畜電量が落ちる

PICKUP

売電よりも優れた経済効果を~注目され始めた自家消費型

売電よりも優れた経済効果を~注目され始めた自家消費型

世界情勢やエネルギー問題などさまざまな理由で、電気代は上昇傾向にあります。また、日本国内の電気代には、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が一定の割合で上乗せされています。また、太陽光発電ではFIT制度(固定価格買取制度)による売電単価も下落しており、全量売電でのメリットが小さくなってきています。

電力会社から電気を買ったり、発電した電気をすべて売ったりするのではなく、自宅や自社の電力使用に充当した方が、電気料金を抑えられる状況になったため、自家消費型太陽光発電は注目を集めてきているのです。